菅原文太さんの映画を初めて見たのは小学生の頃でした。代表作のトラック野郎シリーズです。
当時はスーパーカーブームとほほ同時期で写真を集めるのが流行していました。

トラック野郎シリーズは・・・菅原文太さん扮する星 桃次郎 と 愛川欽也さん扮する松下金造が、自慢の白ナンバー愛車(トラック)で全国を駆けめぐるのですが、桃次郎がその途中でマドンナの女性に惚れ込んで、猛アタックするが、失恋してしまう。
出演者の人間ドラマと喧嘩、カーチェイス、若干のお色気とラブコメディ?がミックスされた娯楽映画です。
ストーリーとしては寅さんシリーズに似ていますが、寅さんがややシリアスなもので、見終わったあとに深く考えさせられる事があるのに対して、トラック野郎は桃次郎の単純な性格から映画はコントに近いです。
調べてみると、桃次郎は住所不定のため手紙はいきつけの川崎のトルコ宛に届けられたり、結構スケベ。自ら「心の故郷」と言うほどのトルコ好きである。(トルコ=ソープランド)
このあたりは寅さんシリーズとは全く逆方向です。

松竹の「男はつらいよ。車 寅次郎」と東映の「トラック野郎。星 桃次郎」 盆と正月の年間2回上映というのも因縁の勝負でした。

という事でDVDをGEOで借りて鑑賞しました。
「どれにしようかな・・・」と悩みましたが、興行収入12億8200万円で1位の作品である「トラック野郎 天下御免」です。ここはマドンナが由美かおる様で決定です。

ストーリーはとなりの便所にいる大学生を脱糞中に口説いて交渉合意に至ったのだが、便所から出たところで由美かおるに出会う。もうここで星空満開です。(心がときめくと画面が星模様になる)
もちろん最終的には由美かおるは違う人と結ばれ桃次郎は失恋。
そのストーリーの中で人助けをしたり、誰かのために荷物を運んだりという桃次郎の優しさが描かれています。
マッハ文朱扮するコンクリートミキサー車「姫だるま」に映画冒頭でコテンパンに女子プロのワザでたたきのめされますが、「その口黙らせたるわ」と言っていきなりキスというのにはさすが桃次郎です。感激です。

桃次郎は、あるシーンで由美かおるの先輩であり恋敵でもある誠直也(代表作 アカレンジャー)に質問されます。
「どうしてトラックを飾るんですか?」
「可愛いからですよ・・・。苦労を共にしていますからね。飾ってやるのはトラック野郎の愛情なんです。真夜中に運転している時なんか、飾ってやったこいつが慰めてくれるんですよ。それだけで心と心が通じ合うんです。」
このシーンがなんか忘れられませんでした。

東日本大震災のあとだと思いますが、「今は映画を撮っている時じゃない。」俳優を引退し、市民運動を始めます。
晩年に貫いたのは、戦争反対、原発反対と農業を真剣に考えました。
名護市辺野古への移設反対を訴えた翁長雄志氏の決起集会に出席しました。

菅原文太、軽トラ野郎としてダンプ仕様スズキ キャリィで農業をする http://www.suzuki.co.jp/car/owners_interview/index2.html

菅原文太さんは反骨の人でした。時にそれは現政権や経済の流れに反する事かもしれなかったが、晩年は自分の考え方を表現する生き方をしようと活動していました。

ご冥福をお祈りします。


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